今月の Software Design : 2013/03 (その1)

 「今月の Software Design 」の3月号の最初の投稿です。

 早いものでこの活動も今回でもう3ヶ月目に突入しました(上場企業ならば四半期報告書を書いているところです)。

 ところで、とあるイベントに参加した際に会ったエンジニアの人から『(このブログ)知ってるよ。いつ終わるか楽しみにしながら毎月読んでるよ』という大変有難いお言葉をいただきました。こんなことを言われちゃあ是が非でも今年一年やりぬくしかありあせん。

 それでは今回も、以下のフォーマットで各記事の要約と感想を書いてゆきます。

 

・記事のタイトル
( 1 行目 ) 記事の要約
( 2 行目以降 ) 感想

 

・弾小飼のコードなエッセイ

 スティーブ・ジョブスの名言 "Stay hungry, Stay foolish." の "Stay foolish" に対する小飼さんのツッコミの話。はみ出し者には辛い世の中だけど、上手く機転を利かせてバカになろうというお話(たぶん)。前半部分では「天才による(良くも悪くも)挑戦的な行為に対して、社会は不寛容であるり、そしてそれが完全に是正されることは無い」という事をゲーデル不完全性定理のうち停止性問題を解いたチューリングの理論を用いて述べています。そして後半では、それでも何とかやってけるよ、という希望的な言葉で締めています。

 この記事の本筋とはあまり関係無い話ですが、小飼さんはチューリングが解いた停止性問題を理解したところ、仮に天国があってもそこが天国だと証明できない事に絶望して1週間飯が喉を通らなかったと書いています。残念ながら僕はこの話題について明るくないのですが、最近『コンピュータ科学史』に興味があるという人と知り合う機会がありました。はて、コンピュータ科学史とは一体いつからの事だろうかと思い尋ねると、ゲーデルゲーデルが唱えた不完全性定理、そしてそれらを解いたチューリングヒルベルトについて小一時間ほど語ってくれました。

 よくコンピュータの歴史は ENIAC が作られた 1946 年から数えて 50 年とか 60 年とか言われていますが、実際にはもうちょっと長いんですね。ただ個人的にはコンピュータというよりも、ソフトウェアの近現代史が非常に気になります。特に Unix とそこから派生した世界、フリーソフトウェア、そしてコミュニティの歴史と形態について知りたいのですが、体系化された本がなかなか無いです。なので、GNU の八田さんや楽天の吉岡さんらに是非これについて書いてもらいたいです。

 

 

・最新 Web トレンド

 前半では Amazon, Google, Apple そして Facebook の概況について解説しています。ここでは MySpace 没落に見る SNS 事業の脆さとスパム対策について取り上げています。後半では TechCranch の歴史について、誕生から AOL による買収、そしてマイケル・アリントンの退職までを解説しています。

 記事の前半に登場した Amazon CEO のジェフ・ベゾスの言葉が非常に印象的です。曰く「10 年後に世界がどう変わっているかという事をよく聞かれるが、10 年後でも変わらないものは何かという事を考える方が重要」だとか。確かに「何がどう変わるか」を予測することは多い(というかほとんど)ですが、「何が変わらないか」の予測はあまりなされていないかもしれません。

 

 

・はんだづけカフェなう

 Raspberry Pi を使っていろいろ遊ぶ話。今回は PythonPython で記述できる CV (Computer Vision) 処理 (入力画像や動画に対して行う輪郭抽出、動作検出、動作解析など) アプリ開発用フレームワーク SimpleCV を使って遊んでいます。記事では SimpleCV を使って取得した画像を twython なるライブラリを使って Twitter にアップロードする処理を紹介しています。

 SD があまりにも Raspberry Pi を面白そうに書くもんだから、すっかり欲しくなり、ついに買っちゃいました。秋葉原の千石通商なんかでも買えるみたいですが、僕は日本での代理店の アールエスコンポーネンツなる会社のページ から買いました。購入方法を紹介しているブログ記事 なんかもあります。商品が届くのが楽しみです。お値段は本体とケースでおよそ 4,500 円になります(昨年の 11 月頃に買っておけば 4,000 円弱で買えたのですが・・・)。

 何に使うかって?そんなもの遊んでみてから考えます。

 

 

・ギークハウスなう

 これまでの3年間の連載の振り返りについての話。前半では、ブログや Twitter などの Web の記事と雑誌などの紙媒体での記事の特性の違いについて考察しており、後半ではこれまで3年間で紹介したサービスやツールを振り返りながら、この3年を振り返っています。

 pha さんはギークハウスプロジェクトを運営したり、本を書いたりと随分と忙しそうですが、肩書きは相変わらず「ニート」です。もはやこの人が世間一般で言うところのニートであるとは誰も思っていないと思いますが、彼もまた今月号の小飼さんの記事で言うところの foolish なのでしょうか。