今月の Software Design : 2013/06 ( その 3 )

 「今月の Software Design 」の 6 月号の投稿の第 3 回目です。

 今回は、第二特集「あなたの知らない UNIX コマンドの使い方」について、要約と感想を書いてゆきます。

 

○ 第二特集①:UNIX/Linux で必須のファイルシステムの基礎

 ファイルシステム周りの諸所の操作を行うためのコマンドの使い方について紹介しています。具体的には ext4 ファイルシステムの作成、マウント、リカバリ、そしてリサイズを行うためのコマンドの使い方について簡単に紹介しています。

 ザッと読むといい感じに章立てられていますが、遠回りな説明のしかたであったり、未定義の単語をいきなり使ってくるなど若干読みづらい内容です。例えばファイルシステムの作成のくだりで、TRIM という聞きなれない単語が註釈も無しにいきなり登場します。話はこれについてのサポートに及びますが、結局 TRIM が何なのかを説明せず、加えて hdparam コマンドが TRIM のサポートを確認するコマンドであるかのような書き方をしています。

 冒頭の書き出しから察するに初心者向けの記事だと思うので、この書き方は正直かなり微妙です。

 

○ 第二特集②:いざというときに備えるコマンド

 GNU/Linux サーバの保守やトラブル対処の際に "使える" コマンドについて紹介してくれています。具体的には、ディスクを食い散らかす原因を特定する際、プロセスが死ぬ際の原因特定の際、VM ディスクイメージ消失の対処の際、そして設定ファイルの変更チェックや複数ファイルの一貫性チェックをする際などにおいて、重宝するコマンド及びテクニックを紹介してくれています。最後に、マルチコアに対応した高速アーカイブツールの pbzip2 について触れています。

 非常に良かったです(目から何かが落ちました)。このパートで紹介されている内容を活用できれば、問題に対処するための強烈な武器が増えるだけではなく、これまで書いてきたシェルスクリプトをより「カッコよく」書けるようになるんじゃないかと思います。

 

○ 第二特集③:サーバ運用と自動化に役立つ厳選コマンドリファレンス

 FreeBSD 環境のサーバ管理や設定コマンドについて、タイトルにもあるように厳選して紹介しています。具体的には、ネットワーク系のサーバ管理及び、DHCP や HTTP のクライアントツール、ファイルシステムやジョブ管理ツール、最後にモダンな仮想端末ツールの tmux やキーカスタマイズツールについて紹介してくれています。

 

○ 第二特集④:GUI が苦手とする作業を効率良く解決するために、デスクトップでもコマンドが活躍する

 デスクトップ環境として GNU/Linux を使っているユーザ向けに「CLI 環境使いこなせると便利だよ」という内容になります。記事では、例としてメーリングリストの一覧編集を行うシェルスクリプトを記述方法を丁寧に解説しています。また後半では CLI 環境を便利に使うための3つのツールを紹介しています。

 内容は初心者向けですが、非常によくまとまっていて読み易いです。またメーリングリストのメンバーを編集するシェルスクリプトについても、非常にエッセンスが詰まった内容で、コマンドは覚えてきたけどシェルスクリプトを書いたことが無い人に勧めたい内容の記事です。

 

 全体的に読み易く、各パートの内容もおおよそシステム管理周りに絞られていて読みごたえのある特集でした。