今月の Software Design : 2013/01 ( その4 )
年始のエントリで紹介した「 Software Design ( 以下、SD ) の記事を全て読んで要約に感想を添えてブログに掲載する」活動の続きです。
今週末にはもう来月号の SD が発売されるので、タイトルとしては「先月の Software Design」の方が意味的には正確かもしれません。
今回のエントリで、2013年01月号の全ての記事について網羅しました。これを毎月やるかと思うと結構しんどいですが、やってきます。
例によって以下のフォーマットで書いてゆきます。
・記事のタイトル ( 1 行目 ) 記事の要約 ( 2 行目以降 ) 感想
・Linux カーネル観光ガイド
フラッシュメモリをストレージとして利用するのに最適化した設計のファイルシステム F2FS についての話。主に inode テーブルの関節参照ブロックの無駄なコピーに対する問題と GC の実装についてを解説しています。
Btrfs が登場した時にもそうでしたが、新たなファイルシステムが登場する度に面白そうと思うんですが、ファイルシステムの利用についてはどうしても保守的になりがちです( だって「ファイルが消し飛んだら...」と思うと怖いじゃん )。
記事においても F2FS は ext4 より早いというレポートが LKML に送られたみたいですが。メインマシンで使うにはやっぱりちょっと怖いです。
テスト環境作ってやる分には全く問題無いんですが、一般ユーザ的には「作ってどうすんの?」ということになるので、「ソフトウェアの成長に貢献する」という犠牲的精神の持ち主にしか使われないのかなと思ってしまいます。
・Monthly News from jus
昨年 11 月に富山で開催された Internet Conference 2012 ( IC 2012 ) のレポート。
実は、記事で書かれているこの会場に僕も居ました ( それも発表者の側で ) 。ただ、惜しくもアワードを逃したために記事には一文字もその存在は出て来ません。
IC 2012 では、ポスター賞を取った東大の池上さんとお友達になれた事と、池上さんの濃ゆーい bash の話が聞けたのは収穫でした。思わぬところで、いい人に出会えてよかったです。
・Hack For Japan
石巻での高校生向けの開発イベントのレポート記事。
ここでちょっと IT の人材教育を『 IT を知らない人を対象に IT の基礎的な事を教えて、こちら側に誘導してやる「素人を育てる」パターン』と『 IT にそこそこ精通している人間を対象に先端的な取り組みをさせて先を尖らせてやる「玄人を育てる」パターン』の 2 つに分けて考察してみます。
前者はこの記事で書かれているような取り組みで、後者は、IPA がやってるセキュリティキャンプや Google の Google Summer of Code とかに分類できるんじゃないかと思います。
前者の教育によって未来の業界を支える優秀な人材の第一歩をこちら側に向けさせるというのは、非常に価値のあることで、彼らの活動もまた社会的に意義深いと思っています。
ただ僕個人としては、どちらかといえば後者を重視すべきかなと思っています。何せ、こっちの世界にわざわざ誘導してやらないでも、高校の普通科にも情報の科目はありますし、大学においても理系の学科に進めば否が応でも通る道でしょう。また、文系でも数字を触る学科(経済や経営とか)では触れる機会はあると思います。そして、興味を持つ人は自然とこっちにやってくるんだから、興味を持っている人に教えた方が教育投資に対する効率は高いんじゃなかろうかと。
・IT むかしばなし
CPU のディープな話。
やはり僕の趣向が偏っているのが、こういう話になるとめちゃめちゃ燃えます。特に HFC 命令が云々といった話は、高級言語を触っている人間はほぼ確実に認知しない話なのに、非常に興味を持たされます。
・Software Designer
ソフトウェアエンジニアリングの分野で有名な Michael Jackson さんの息子さん ( Daniel Jackson ) さんのお話。彼の取り組みや大学教育についての話に続いて、既に実際に行われているオンライン教育 deX について紹介しています。
せっかくなので、deX 使ってみました。ハーバード大学などが実際にどんな感じで講義しているのか知ることができますし、何より自分の英語力でどこまで実際の講義についていけるのかの腕試しができます。
アカウント登録をして、カリフォルニア大学バークレー校の Web 系の講義を受けて見ました。驚いたのが、6 週間のカリキュラムがきちんと組まれていて、トピック毎に動画が作成されています。更に、各週の最後には課題まで設定されていて、フォームから課題を解くことができます。更に講義の動画には英語字幕までついていて、至れり尽くせりといった感じです。このクオリティで無料なのは凄すぎです。これによって一部の教育システムや教育機関の存在価値が危ぶまれるんじゃないかと思えるくらいです。
・サーバ実力診断
XBee ZE っていう機器と OpenBlocks A6 をつないで、通信して遊ぶ話。
今月号がこの連載の最終回みたいで、これまでの連載を読んでいないので、これだけ読んでも正直わかりません。ただこの手のマイコンいじる作業は、実際に動いた時にめちゃくちゃ感動するので、この記事をバックナンバーから読み返す際には、XBee と OpenBlocks A6 を買ってからにしようと思います。
・Inside View
Cyber Agent の HBase を使ったスマートフォンプラットフォームの話。
モバイルやソーシャルアプリの分野における「プラットフォーム」という言葉のコンテキストがいまいちよくわかりません。これって、アメーバとか最近色々出してるスマフォアプリとかの間で、OpenSocial とかで規定されてるような共通のメタ情報をやり取りするための基盤環境ってことなんでしょうか。今まで無かったんですね。
それにしても最近の広告は記事と見分けがつきません。