今月の Software Design : 2013/05 (その7)

 「今月の Software Design 」の5月号の最後の投稿です。

 最近 Web+DB Press の内容がとても気になります。

 SD は Unix Magazine 亡き今、国内の IT 系雑誌の最高峰の地位に君臨してきました。扱う記事の内容も比較的レイヤが低くて難易度的にも高いと言われています。

 これに対して同じ技評から出版されている WEB+DB Press は比較的レイヤが高くて難易度も比較的易しいと言われていましたが、最近の WEB+DB Press の内容の充実ぶりには目を見張ります。

 残念ながらまだ併読できていませんが、もし余力ができたら WEB+DB Press についても書いてゆきたいです。

 それでは今月も以下のフォーマットで要約と感想を書いてゆきます。

 

○ 記事のタイトル
( 1 行目 ) 記事の要約
( 2 行目以降 ) 感想

 

○ 温故知新 IT むかしばなし

 コンピュータに関する歴史的資料(機材)を集めた世界のコンピュータ博物館と日本の計算機博物館についてのお話です。国内の博物館については、国立科学博物館東京理科大学の近代科学資料館、そして和光市のり科学研究所について紹介しています。また、情処がコンピュータ関連資料を Web 上に公開している「コンピュータ博物館」についても触れています。

 コンピュータそのものの歴史も面白いですが、個人的にはコンピュータと産業の歴史の方が興味深いです。今でこそ当たり前のようにコンピュータを使いインターネットにつながっていますが、元々コンピュータもインターネットも産業の為に存在していたわけではありませんでした。そこにコンピュータを作る会社が出てきて、ソフトウェアを作る会社が出てきて、やがてインターネット関連企業が出てきて、その過程で GNU みたいなのが生まれて、自由と暴利の間でルックアンドフィール訴訟や IBM 産業スパイ事件なんかに見る抗争があって、知財やら特許では IBM や MS 、Apple などといった特許ヤクザが幅を利かせるなどといったことがあって今日まで至るわけですが、こうした産業史にとても興味をひかれます。

 

○ Inside View: ① Hadoop は基幹業務をどう変えるのか

 ソフトバンクモバイルが Hadoop を導入した話です。なんで Hadoop が必要で、どのような環境でどう使うか、そして今どういった状況にあるかといった話について書かれています。最後に Hadoop 以外の選択肢についての考察をしていますが、オープンソースであるという理由でやっぱり Hadoop がいいという結論で記事を締めくくっています。

 よい内容だと思います。要約にも書きましたが、どういう環境でどのように使っていき、組織としてどう対応するかといったことが書かれているので、ソフトバンクモバイル的には Hadoop とどう向き合ってゆくのかが伝わってきます。

 

○ Inside View: ② インターネットサービスの未来を創る人たち

 サイバーエージェントが利用するプライベートクラウドのミドルウェアのお話です。これまでサイバーエージェントは、IaaS 型プライベートサービスを OpenStack を使って運用していたけど、運用を自動化したいとかで内製のミドルウェアの開発を初めたよという内容です。

 ご冗談でしょう、サーバーエージェントさん。あなたついこの前(2ヶ月前)の Software Design で、運用上の問題や信頼性云々でデータベースとサーバを内製から OSS に、自作からベンダーに切り替えたなんて事を言っていましたがもうお忘れですか?

 ソーシャルゲームやアメーバを作っている片手間でより良いモノが出来るほど OpenStack は単純なものじゃないですし、とかくこういったモノは信頼性を必要としますから、トラブった時に内製だとコミュニティの協力が得られないというリスクも承知の上なんでしょうか。